【日記】日本はネット、欧米はバッグ

アクティブ車椅子ユーザーは、車椅子に座面下収納を設けていることが多いですね。


その収納方法、日本のユーザーは圧倒的にアンダーネット

一方で欧米のユーザーは、アンダーバッグが多いように思います。


なぜでしょう?


理由はいろいろあるでしょうが、その1つに、車椅子フレームの違いがあるかなと思います。


日本の車椅子は、アクティブ車椅子といえども、基本的には病院の車椅子と同じフレーム構造です。

写真は、日進医療器さんのMS-3。

公費の範囲内で購入できる、基本のアクティブ車椅子です。


アンダーネットは、フレーム下側のパイプにネットのベルトを巻きつけて使います。

日本の車椅子の多くは、折りたたみ式(フォールディング)です。

座面下にXのフレームがあり、左右に折りたためる構造です。


折りたたむにはネットのほうが便利ですし、バッグを吊り下げるとXが邪魔になります。



一方で欧米の車椅子は、フレーム構造が違います。

写真は、ペルモビール(スウェーデン)さんのTiLite ZR。

アンダーネットを使ったことがある人はお気づきだと思いますが、この構造だと「どこにネットのベルトを巻きつければ??」ですよね。


確かにこれではネットが使えず、バッグを吊り下げることになるのもうなずけます。


この構造、私は名称を知らないのですが、ペルモビールさんは「モノチューブ」と称しています。

(業界の統一名称なのか、ペルモビールさん独自の名称なのか、そこは分かりません)



日本のフレームに近いタイプも販売していて、そちらは「デュアルチューブ」。

写真は、TiLite TR。

下側のパイプもありますが、これもアンダーネットを取り付けるのは難しそうです。



また欧米の車椅子は、折りたためない固定式(リジッド)が多いです。

座面下は、横にまっすぐのパイプ(車軸)が通るHのフレーム。

バッグを吊り下げても邪魔するものがなく、折りたためないのであれば、芯材の入った硬いバッグを吊り下げることもできますね。



ちなみに最近は日本でも、デュアルチューブで斜めにシュッとかっこいい感じの車椅子が増えています。

写真は、日進医療器さんのAS-3。

横から見て、MS-3の下フレームはL字型ですが、AS-3はV字型。

他メーカーさんの車椅子もこんな感じで、斜めにシュッとした感じが多くなった印象です。


斜めになっていると、無理やりアンダーネットを取り付けても、物を載せたときの安定が悪いです。

それで日本でもアンダーバッグを使うユーザーが増えつつあるのかなと思います。



折りたためない固定式(リジッド)も増えつつありますが、主流は折りたたみ式(フォールディング)。

これは玄関で外用・中用を乗り換えたり、車への積み込みといった、日本の生活事情が関係しているのでしょう。


当店販売のアンダーバッグ(アンダーポーチ)は、折りたたみ式を想定して、芯材が入っていません。

アンダーバッグを取り付けたまま車椅子をたためますので、ご安心ください。